〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則 読んだ。
- 作者: ケヴィン・ケリー,服部桂
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2016/07/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (13件) を見る
インターネットがこれからどう進化していくかを予想する本。「次に来る」というとなんだか終わりそうな雰囲気だが、将来インターネット(的なもの)がインターネットと呼ばれている保証はないため、このような邦題になっているのかも。黄色のカバーが鮮やか。
概要としては、これからやって来るであろう変化の芽はもう出ていて、現在起こりつつある12の潮流から将来のインターネット像を予想するといった内容。
最近ホットな流れとしては、たとえばAIがある(ディープラーニングによるキュウリの仕分けマシンが先日話題になった)。ああいうAIが近い将来もっと高性能かつ安価になるはずで、そういう世界では人間の仕事はどのように変化するのか、などの話題が書いてある。また、(Kindle Unlimitedのような)サブスクリプション型のサービスがこのまま増えていくと、コンテンツを所有しているかどうかよりも、いつどこからでもアクセス可能かどうかのほうが重視されて、価値観が変わっていくだろう、そして大量のコンテンツをフィルタリングする技術がますます要求されるだろう、といったような話題もある。
この手の将来予測本は、眉唾というか、おいおい本当かよと思うことも多いけど、本書は「すでに起こっている流れ」Xが、将来このまま加速していくとYという状態になる、という話し方なので、納得感がある。10年後くらいに答え合わせしたい。
考えてみたらTwitterができてからまだ10年しか経っていない、10年前にはスマートフォンはなかったし、巨大なモバイルアプリ市場も当然なかった。20年前にはもっと何もなかった(と聞いている。僕は20年前のインターネットを知らない)。そこまで遡らなくても、一昔前では日常の行動をトラッキングしている人がいたら相当変わっていると思われただろう。変化は速い。
本書で言われているように、10年後、20年後、30年後やっぱり同じように、ああ2016年はまだあれもなかった、これもなかった、と回想されることになるのだろう。楽しみですね。
全体的に前向きな未来像を語ってくれる本で、AIに仕事を奪われるゾ的な暗い煽りは無い。夢のある応援メッセージっぽい雰囲気で、技術を信じる気持ちに共感できる。