SANOGRAPHIX Blog

京都を拠点に活動する佐野章核 (sanographix) の個人ブログ。日記、webデザイン、読書、写真など。

No Man's Sky が楽しい

こんなにおもしろいとは。

今年9月に発売予定のSFオープンワールド「Starfield」の前に、同じSFジャンルの予習として「No Man's Sky」をプレイし始めた……というのは前回書いた通り。これが実におもしろく、没頭してしまった。

www.xbox.com

40時間ほど遊んだ時点でなにが楽しいかといえば、知る喜びに満ちたゲームである。

ゲームのはじまりはこうだ。あなたはどこかの星で突然目覚める。ここがどこかわからない。辺りには見たことも聞いたこともない植物や動物がいる。遠くには自分が乗っていたと思われる壊れた宇宙船が見える。手には銃らしき謎の道具を持っているがこれも壊れている。戸惑っていると嵐が接近中だと宇宙服から警告が聞こえてくる。辺りが段々暗くなり、やがて激しい砂嵐に襲われる。なにかのゲージが減っている警告が続いている。さてどうする?

何もわからないうちは、とにかくすべてが脅威に感じる。しかし、これはイマドキのゲームだ。今やるべき目標がしっかりと右下に出続けてくれるので、わけもわからず野垂れ死ぬわけではない。

このガイドに沿って、少しづつ世界を学んでいくことになる。辺りの植物や岩から炭素や酸素、銅といった資源を採取できること。資源を使ってアイテムをクラフトしたり宇宙船を修理できること。自分が第一発見者になった植物や動物(惑星は1,800京個あるので第一発見者になるのは簡単だ)を登録すると報酬が手に入ること。嵐は屋内にいるかスーツの危険防御システムを強化してやり過ごせること。他の星系にワープできること。宇宙ステーションで異星人に頼めば異星語を1度に1単語教えてくれること。

このゲームのガイドの「教える量」は絶妙だ。ちょうどよい学習曲線が形成されている。自分であれこれ考える余地が残されているし、もともと競ったりするゲームではないため、自分のペースを保てるのが良い。

そうして幾つかの惑星を巡るうち、気づけば大体何が起きても動じなくなっている。そればかりか、宇宙ステーションに停泊している宇宙船を交渉で買ったり、開拓地の運営を任されたり、艦隊を指揮したりする。知識はパワーである。知的探究心によってやれることがダイナミックに(それこそ宇宙規模で)拡がることがゲームのなかで表現されていて、そこにロマンがある。

貨物船も持てるし基地も作れるぞ

「No Man's Sky」といえば、「なんか惑星の数がすごく多いゲーム」とか、手続き型プロシージャル生成の技術部分が注目されがちだと思う。このギャラクシーマップ見てくださいよ。

どこまでも続くギャラクシーマップ。畏怖の念を抱いても不思議じゃない

確かにそれもすごい。すごいんだけど、個人的には今まで述べてきたような「知ることの楽しさ」を端的に表現しているのが、このゲームの美しい点に感じる。

探求心をくすぐる装置として、巡りきれない量の惑星があり、見事なビジュアルがある。名前が一々かっこいい様々なアイテムに、楽しい建築やクラフトシステムがある。それぞれがうまく機能している。

アイテムが一々かっこいい


長年の地道なアップデートを繰り返していることで有名なゲームだけあり、少なくとも今から始めるプレイヤーには非常に遊びやすく、コンテンツの幅も広い。自分はGame Pass版なので普段はPCかXboxで遊びつつ、気分によってiPadでクラウド経由で遊んだりする。遅延にシビアではないゲームなのでクラウドでも全く支障がない。

本命は待ち続けている Starfield であることに変わりはない。が、No Man's Sky がモロに刺さったがゆえに自分のなかで相当ハードルが上がってしまっている感じがある。きっと蓋を開けてみたらそれぞれ全然違う志向のゲームなんだと思うけど、好奇心を満たす旅ができる部分は共通していそう。ひとまず、先にこっちの宇宙を楽しんでます。宇宙はいくらあってもいい。