信じるか、信じないか
PS5の抽選には落ちたが、Xbox Series Xは伝統的な先着制だったので、予約日に注文サイトに張り付いて辛くも購入できた(が、後ろめたさもあり複雑な気持ちではある)。
買うべきなのか?
世界的な半導体不足もあり、ずっと品薄が続いているが、多くの方の関心事は「もし今後Xbox Series Xが買えるようになったとき購入するべきか、それともPS5のほうがいいのか」ではなかろうか。
結論から書くと、この中で当てはまるのはどれか? で決めるとよいのでは、と提案したい。
- Xbox Game Passに興味があり、ゲーミングPCを持っていない
- 👉おすすめ。最も買ったときの満足度が高いと思われる
- Xbox Game Passに興味があり、ゲーミングPCを持っている
- 👉買う必要性は低いが、Xboxが好きなら買ってもいいかもしれない(筆者はこれ)
- Xbox Game Passに興味がない
- 👉買う必要性は低い
それほど、Xbox Game Passに加入したときとしていないときで得られるサービス内容が違う、というのが実際に2ヶ月触った時点の感想。
Game Passがすべて
「知りたいのは本体のことで、Game Passの話はいいよ」と思われるかもしれない。が、僕個人の意見としては最早Game PassがXboxそのもので、本体は単なる再生機と捉えている。
XboxやXbox 360時代、自分が惹かれたのは個性的な独占タイトルだった。パッケージにずらりと「ONLY ON XBOX」の文字が踊っていたのを思い出す。加えてXbox 360では、SkyrimがPS3より若干安定動作するといったパフォーマンスの利点も魅力に映った。
しかし、いまXboxで出るようなゲームはほとんどPCとのマルチだし、PS5 - XSXでのパフォーマンス差も、検証記事などを読む限りたいした優位性はない。そんな無慈悲な現世代においてXboxを選ぶ理由になりえるのが、Xbox Game Passの存在だと思う。
Xbox Game Passは「ゲームのNetflix」と紹介されることも多い、サブスクリプション(定額遊び放題)サービス。実は僕自身もこれまで、ゲームのサブスクには懐疑的だった。しかし、その考えが変わることになった利点が4つある。
ラインナップ
1つ目はゲームのラインナップ。国内ローンチ当初は約150本で始まったGame Passは、コンソール向け282本、PC向け208本に増えた(2021年1月現在)。毎月一定数が投入されているほか、EA*1とBethesdaが参入したことが大きい。
独占タイトルを買う必要がなくなる
魅力的な独占タイトルが発売当日に遊べるので、個別に買う必要がなくなる。
近年Microsoftは実力のあるゲームスタジオを積極的に買収しており、昨年ZeniMax(Bethesdaの親会社)を買収したことで現時点で23のスタジオを所有する。それらファーストパーティー製ゲームは発売と同日にGame Passに配信されることが約束されているので、Game Passに加入さえしておけば、わざわざパッケージを個別に買わなくてもいいわけだ。また、Bethesdaの期待の新作『Starfield』はXboxとPC独占になることが確定した。これも間違いなくGame Pass入りするだろう。
安い
最上位プランの Game Pass Ultimate は月1,210円(2023年現在)。
7,000〜8,000円程度の一般的な価格帯のゲームを年間2本遊ぶだけで元が取れる計算、といえばお得さが伝わるだろうか。いまこの記事を読んでいるような方なら、年間に遊ぶゲームが2本なんてことはないでしょう。
Xbox本体を持っていなくても遊べる
Xbox Game Pass Ultimate なら Cloud Gaming が使えるので、Xboxを買わずともブラウザさえあれば、どんなPCやスマホからでもゲームを起動して遊ぶことができる。
もちろんXboxを所有しているユーザーにもメリットはある。セーブデータは勝手に同期されるので、外出先でゲームを遊べたり、家の中でも別の場所から続きをプレイしたりできるので、ちょっとした気分転換になる。
信じるかの問題
つまるところ、サブスクはどれもそうだが、「3年間でこれだけ色々なゲームをXbox Game Passで遊んだ」姿をどれだけ固くイメージできるかが、加入の判断基準になってくる。
この点、僕はGame Passを「世間の流れで試しに投入されたサブスクプラン」ではなく、Xboxは完全にサブスクに舵を切ったのだと受け取っており、今後もスピードが緩むことはないだろうと考えている。
Game PassはPCでもほぼ同じ内容のサービスを展開していたり、スマホからでもCloud Gamingで遊べるようになっている。このことから、Xboxが目指すものは「あらゆるデバイスで多くのゲームを遊べるようにする」ことだと読み取れる。これは「ゲーム機本体の売上を捨ててでもサブスクで勝負する」意思表示にほかならない。
そのようなMicrosoftの入れ込みようを考えると、将来のラインナップも楽観視できると思う。ローンチ時点こそ物足りなく感じたが、現在の充実度はすごい。「界隈で話題になってるので、ちょっとどんなゲームか見てみたい」系のタイトルが色々登場したことで、かなり魅力が増したと感じた。たとえば、地球上すべての場所を3Dモデル化した『Microsoft Flight Simulator』や、ローンチの躓きをバネに大型アップデートで別ゲーに生まれ変わった『Fallout 76』などがそう。独占タイトルもこれまで以上に増えていくことだろう。
もしあなたがPCゲーマーで、Xbox Game Passのラインナップに魅力を感じるなら、Xbox本体を買うかに関係なく、Xbox Game Pass Ultimate加入をおすすめしたい。
サブスクは数あれど
ゲームのサブスクリプションサービスはPS NowやApple Arcadeほか色々とあるので、どれがいいのか迷ってしまうかもしれない。そのなかでXbox Game Passはゲームラインナップと、独占タイトルが発売当日から遊べる点に魅力を感じた。
また、StadiaやGeForce Nowなど、クラウドゲームも登場している。これらとGame Passの違いは、ゲームの購入費用が別途必要かどうかだ。StadiaもGeForce Nowも基本的にゲームは別料金であり、ゲーム機やPC本体の代替手段としてクラウド配信をするモデルになっている。一方Xbox Game Passでは、ゲームの購入費用は不要。さらに、先に書いた通りCloud Gamingが追加料金なしで使える。Stadia・GeForce陣営は相当不利な状況に立たされているといえる。
Xbox Series X について
ようやく本体のことを書ける。
これまで書いてきたように、もはやMicrosoftの戦略では、コンソールは買っても買わなくてもいい位置付けになっていると思われる。ごく普通のPCやスマホを持っていれば、Xboxというサービスは利用できるからだ。性能を落としたXbox Series Sをなぜ同時に発売したのかも、みなが同じスペックで遊ぶわけではないPCゲームを前提にすれば納得できる。
そうはいっても、自分は初代Xboxから4世代乗り継いできたわけで、5世代目のSeries Xも見逃すわけにはいかなかった。「ほぼ無音」との前評判通り、本当にゲームプレイ中もほぼ無音で、ぜひ内部を見てみたい衝動にかられる。以前Xbox One Xを分解修理したことがあって、PCライクな内部構造に目の当たりにしたのだけど、万一なにかの拍子にSeries Xを分解することがあったときに楽しみにしておきたい。
僕は普段PCのXboxアプリを使ってゲームを遊ぶが、Xboxはテレビに繋いでいる。これが結構良い。ちょうど映画を映画館で観るかスマホで観るか選ぶように、このゲームはPCデスクで集中して遊ぼうとか、あるいはソファに座ってのんびりやろうとか、ゲームの内容にあわせてプレイ環境を選んでもいいはずだ。その選択肢が自分にあるのは、思いのほか自由を感じる。セーブデータはPCとXboxで常に同期されており、どちらのデバイスからでも続きを始めることができる。
Xboxがゲーム機の名前からサービスの名前にとって変わったことで、各々が好きな環境で遊べるようになった。PCを持っていないゲーマーにとって、Series XはGame Passをできる限りベストな環境で楽しむ方法だと感じた。また、Xboxファンにとっては、驚異的な4世代後方互換(想像を絶する開発があったのだろうと思われる)で、自分のゲームのあゆみを丸ごと新コンソールに引っ越せる感動的な体験も待っている。
余談だがXbox購入後は、やたらと豪華な延長保証に加入することをおすすめしたい。3年間で本体1台とコントローラー2つまでを交換でき、保証がコントローラの値段より安いので、コントローラがヘタってきたとき普通に買い換えるより確実に得する。
標準コントローラーは 2 つまで、Elite コントローラーまたは Elite シリーズ 2 コントローラーは 1 つのみ、本体 は 1 台のみ、交換が認められます。
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なお注意点として、本体購入から45日までに申し込む必要があることと、自分の環境だとどうしてもカートに入れて購入できなかったので、Xboxのチャットサポート経由で加入する必要があった。
*1:EAのサブスクリプションサービス「EA Play」がまるごとXbox Game Passのサービス内容に追加された