先日のC90で頒布した本だが、今回も2人(+ゲスト)で制作した。趣味のプロジェクトにおいて複数人で進める場合のベストプラクティスを探していて、過去にそれをテーマに本を作ったこともある。
同人誌制作におけるプロジェクト管理
ここ1〜2年ほどプロジェクト管理にRedboothを使っていて、他人にも薦めたりしていた。しかし最近無料プランが消滅したようで薦めづらくなり、僕達も無料で使っていたのでどうしたものかと思っていた。チーム向けのツールは比較的高めな価格設定がなされており、1年のうち限られた期間のみ活動する我々のようなチームにはやや割高感がある。そこで今回のプロジェクトから MeisterTask を導入することにした。
2ヵ月ほど集中的に使ってみて手応えを感じたので、感想と実際の制作フローを残しておきたい。
なお同人誌制作におけるプロジェクト管理のあれこれは弊サークルの既刊(Issue 2) に詳しく書いた。PDFで買える。
概要
MeisterTaskはいわゆるカンバンボード形式のプロジェクト管理ツール(スクショさっき撮ったので、只今やってます感がない画面になってしまった)。Trello使ったことある人なら馴染みやすいと思う。というか、正直Trelloとできることにあまり変わりはない。
MeisterTaskを選んだのは、
- 無料プランの制限が緩い
- 比較的新しいツールで開発が盛ん
- 楽しげなデザイン
が主な理由。あまり使ってないけどSlack連携もできる。なお有料プランだとAutomation的な機能が使えたりするようだ(ボードを移動したら自動で完了フラグをつけるなど)。
Macアプリがあるので普段はそれ経由で使っている。
👆コメント欄で会話している様子。なお普段の会話はSlackで行っており、タスクに紐づくやりとりに限りコメント欄を使っている。
実際の運用と打ち合わせフロー
我々のサークルは毎週一度リモートで打ち合わせをしており、このときMeisterTaskを見ながら事を進める。
実際の打ち合わせフローは下記の通り。
- 「In Progress」を上から順番に見ていく
- 各タスクの進捗をみて、終わったらステータスを完了にして「Done」に移す、終わってなかったらスケジュールを引き直す
- 見終わったら、これから着手するタスクを「Open」のなかから選んで「In Progress」に移す
- 「In Progress」にあるタスクの締切を話し合って設定する
- MTG中あらたなタスクが発生したら「Open」に書き留める
- 気になることはないか確認する(このスケジュールで間に合うか、見落としているタスクはないか、各自の忙しさ等)
- 次のMTGの日時を決めてGoogleカレンダーに招待する
タスクを完了した時点ではボードを動かさず、打ち合わせの段階で初めて Done に移す。こうすると、その週終えたタスクがわかりやすい。
趣味の制作で胃を痛めたくないので、弊サークルは締切直前に頑張ったりしない。その結果現在まで必ず早割入稿をしている。だから、スケジュールどおり終わらせるためのツールを揃えたり、仕組みを整えたりすることに関心がある。
困りごと
ところで、現状MeisterTaskのiOSアプリで日本語入力に不具合があり、うまくコメントが投稿できない(やや困る)。サポートに問い合わせたところ、仕様なのでSafariからブラウザ版を開いて代用してくれとの案内が届いた。うーん返信が速かったのはよいのだけど、できれば直ってくれるとうれしい。しかし極東のユーザーの対応は後回しになりそうな予感がある……。(と思いつつもサービスの一部が日本語化されており、力が入っているのかそうでないのかよくわからない)
(2016.11.05追記)上記の件、2016年10月あたりに正式に日本語がサポートされ(翻訳はところどころ怪しいが)、最大の懸念であったiOSアプリの入力不具合も解消した。めでたい(追記おわり)
また、あまり使ってる人をまわりで聞かないので、突然サービスが無くなってしまう不安もある。個人的にはけっこういけてると思うんだけど、インターネットを探しても紹介記事が少ない。試したら感想をネットに書くとよいと思います。
所感
ともかく、2ヵ月間タスク捌くのにMeisterTaskを使ったところ、期限内にプロジェクトを終わらせるのは充分達成できた。また、Redboothからの移行で特につまづいた点はなく、スムーズだったのも良かった。
制作時ほかにも使ったサービス類いろいろあって、さっきも書いたけど既刊にまとめてあるので買いましょう。