
キミは帰ってこられるか
SFRPG『Starfield』で宇宙に旅立ってから現在プレイ時間は50時間ほど。結論からいうとSF好きには夢のようなゲームなので、プレイしない手はないんじゃないかな〜って感じです。
この記事では主に未プレイの方向けに、実際どうなのか、自分がどんなふうに楽しんでいるのか、現時点の感想を記録していく。
なお、対応プラットフォームはPCまたはXboxということになっているが、Game Passのクラウド対応なのでこのように普通のスマホや低スペックPC・macでも遊べます。Game Pass代(1,210円/月)だけ払っておけばソフトを買う必要すらないです。
このゲームの開発元であるBethesda Game Studios(以下、ベセスダ)は、自分が最も好きなゲームスタジオのひとつである。とりわけ『Fallout 3』『Skyrim』には一生忘られらない経験をさせてもらった。よって、かなりバイアスがかかっていることを事前に宣言しておく。
何がそこまで好きかといえば、世界観、それも世界観への「信憑性」の部分。「もし核戦争が起こったら」「もし魔法やドラゴンが実在したら」、社会はどうなっているのか。人々は何を食べて、どう暮らしているのか。どんな仕事があるのか。娯楽は何なのか。そういった膨大な背景設定に対して、いちいち理屈・理由がある。その大半は知らなくてもゲームプレイに全く支障はない。が、道中に出くわすアイテムや住民とのやりとりの端々から世界観を感じ取れるようになっているので、探索すればするほど実在感、信憑性が高まっていくわけだ。この設定自体の魅力、その凝りよう、提示のしかた、の3点が、ベセスダは非常にうまい。
もう想像がつくと思うが、そうした設定へのこだわりは、SFジャンルとの相性が抜群に良い。これまでの50時間のゲームプレイの大半は、サイドクエストにおける人々との会話や、探索(散策といってもよいかもしれない)に割いた。そのため、まだメインクエストは終えていないし、他の目玉要素である宇宙船の改造、アイテムクラフト、基地建設はほとんど手をつけていない。逆に言えば、世界を見て回るだけでも丸2日溶けた。
SF好きには夢のゲームと冒頭で書いたのはまさにこの部分で、ただ通り過ぎるのは勿体無いと感じるほど、クエストで行く先々で驚くべきディテールの世界が待っている。
本作が合う人・合わない人がいるとすれば、この探索・交流を楽しめるか否かだと思う。ベセスダは自身の強みに完全に自覚的で、会話量もすごいことになっている。たとえば、冒険には仲間(コンパニオン)を1人選んで連れていけるのだが、コンパニオンの有無でクエスト中の会話が変わるのには驚いた(会話にコンパニオンが普通に加わってくる、という感じ)。また、過去に下した選択肢をコンパニオンはしっかり覚えていて、「あのとき君はこう言ったけど、今でもそう思う?」のような質問を度々してくる。プレイヤーの決断が重要なゲームにおいて、その決断についてゲーム内でちょっとした議論ができるのはかなり面白い体験だった。
余談ではあるが、「NPCとの会話によってクエストが進行する」ベセスダの過去作品をなぞった結果か、ゲーム中にスマホなどの通信機器がほとんど登場しないのがきわめて興味深い。たとえば『Cyberpunk 2077』ではメールや電話でクエストの指示がばんばん飛んでくるが、それとは異なるコミュニケーション体験になっている。サービス業も自動化されておらず、2300年の世界なのに、いまだに受付には人間が立っている。よく「スマホが普及する前はみんな前を向いて歩いていた(今はみんな下を向いている)」といわれるけど、それでいう昔の光景に近いものがある。ただし、これが何か問題とは感じておらず、個人的には単に興味深いだけで、どうこう言うつもりはない。会話もおもしろいからね。
というわけで、人間臭く、信じられる宇宙への旅いかがですか。
ここからはプレイ中にとったメモを残しておく。かなり長いので箇条書きです。
- 前提: おもしろい
- Skyrimで「どうやってこの規模のゲーム作ったんだ」と不思議で仕方なかったが、それと全く同じ感情がある
- ロア(世界観設定の読み物)の提示の仕方が良くなった
- 過去作より書籍系アイテムを読む量が減った気がする。これは良いバランスだと思う
- ロアを全部書籍アイテムで読ませるのは良くない(大抵読まずに貯めてしまう/あとで読むときどこで拾ったか覚えてないから)
- ネームドNPCがいろいろ教えてくれる
- 博物館があり、歴史を学べる
- 会話量が単純に多い
- ネームドNPCがどのロケーションにも大抵いる
- 特にクエストが発生するわけでもないキャラでも固有の会話がある
- 恐るべき会話分岐量
- コンパニオンの有無でクエストのセリフが変わる
- コンパニオンが過去の選択肢を覚えている
- 「あのときああ言ったけど、今でもそう思う?」みたいな
- 下手なアドベンチャーゲームよりも作り込まれている
- なんでもない小部屋に入ったときにもリアクションがある
- フェイシャルアニメーション
- 眉間のシワの入り方すごい
- 戦闘大幅改善
- 変なメカニクスとか無くてシンプル
- とはいえベセスダゲーに戦闘は求めてないので、ちょうどよい
- おもしろクエスト
- お仕事系
- 新型宇宙船の企画会議に巻きこまれ、議論が紛糾している場を収める
- ドラッグ工場バイト
- SFお約束系
- (ネタバレになるので控える)
- お仕事系
- クエストのブラックユーモアさはFalloutほどでは無い
- 個人的には愚かな人間がよく表現されたFalloutのノリは非常に好みだった
- が、「宇宙版Fallout」にしてしまうと、Outer Worlds とまるきり同じになってしまいそうなので、今回の方向性にしたのだろう
- ロードは過去作と比べて大幅に短い
- 360版Skyrimでロード中に無意味にオブジェを回すことしかできなかった頃と比べると...
- 素晴らしい光景につい足を止めてしまう
- 汚い倉庫とか工場とかのほうが好き
- 最初に訪れるニューアトランティスはちょっと勿体無い気がする
- 洗練された未来の都市なので、一見密度感が物足りない
- Mass Effectみがある
- Cyberpunkのナイトシティのような超高密度な街並みを見慣れていると物足りなく感じる
- 実際はニューアトランティスのなかにも表情豊かなロケーションがあって、下層に行くとスラムが広がっていたりするが、「スラムは巧妙に隠されている」という設定があるため、一見すると伝わりにくい
- 洗練された未来の都市なので、一見密度感が物足りない
- 過去作には、Skyrimの星座スキル画面、Falloutのpip-boyのようなアイコニックなインタフェースが備わっていたが、今回はコンサバに感じる
- 文字サイズでかくてありがたい
- 魅力的なスキルが多くてレベルアップのモチベーションになる
- 逆に言うと、初期状態は不便極まりない。ジェットパックも使えない
- 到底全部は取りきれなさそうで悩む
- バグはこの規模のゲームにしては少ないと感じる
- シャットダウンは2度(同じ場所で起こったのでたまたま落ちやすい条件を引いてしまったのかなと思う)
- No Man's Skyと比較して
- No Man's Skyでは宇宙空間から着陸までシームレスだったが...?
- あれは移動速度がデフォルメされている(宇宙では実際よりも速く移動でき、地表に近づくほど宇宙船の速度が遅くなる)
- なので数秒で地表に到達し、着陸できる
- あれは移動速度がデフォルメされている(宇宙では実際よりも速く移動でき、地表に近づくほど宇宙船の速度が遅くなる)
- Starfieldではそのデフォルメをしなかったということだろう
- どっちも好きなゲームで、それぞれの良さがある
- No Man's Skyでは宇宙空間から着陸までシームレスだったが...?