
あまりゲームを遊べていないのだが、そのなかでも1〜3月にプレイしたゲームのうち良かったものを振り返る。
- 【Game Passに収録】の記載があるタイトルは、Xbox Game PassまたはPC Game Pass加入者は無料でプレイできる。
- 各タイトルは特に断りのない限りPC版をプレイしている。
- Marvel’s Guardians of the Galaxy
- Life is Strange: True Colors
- First Snow
- Nobody Saves the World
- Sea of Thieves
- Mass Effect Legendary Edition
- Epic Battle Fantasy 5
- Weird West
- The Artful Escape
Marvel’s Guardians of the Galaxy
【Game Passに収録】*1
「版権もの」のゲームに良い思い出がないそこのあなた、騙されたと思ってプレイしてほしい。もはや版権などどうでもよくなるほど没頭して、最後には出来の良いドラマシリーズを一気観したような満足感に浸れるので。
プレイヤーはピーター・クイルとなり、癖の強いガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーの面々をまとめ上げ、ついでに銀河を救っちゃったりする。このチームは誰一人として静かにしていられないようで、約20時間のゲームプレイ中ずっと仲間と喋りっぱなし。これが一番の魅力だと思う。ボイスの多彩さ*2が嬉しいし、軽口の叩きあいがとにかく笑える。けど、このコミュニケーション密度があればこそ、チームが団結したときの爆発力も、過去の傷と向き合うときの励まし合いも、いっそう胸に迫るものにしている。仕事はコミュニケーション!
あと音楽、これは反則だ。こんなBGMで戦闘できるゲームある?
Life is Strange: True Colors
【Game Passに収録】*3
Life is Strange シリーズを毎作買ってる理由は、「間」のとりかたが非常に心地良いってのがある。たとえばプレイヤーがボタンを押すまで、Bロール的なショットが延々続く演出。こうした演出にできる「間」のストーリーテリングが大好きなのだ。いっぽう、今作『True Colors』では、なんとなくトントン拍子に物語が進んでしまう印象があり、ちょっと余韻を噛み締められなかったなと思ったのが正直なところ。もしかしたら自分のプレイ方法を誤ったのかもしれないけど。
かといって全体としてイマイチだったわけではない。主人公のアレックスが本当に魅力的だった。パッケージの静止画より、実際に動いているゲーム画面のほうが何倍も魅力的に見える。アジア系の顔立ちだから親近感があるのかもしれないが、ぎこちなく愛想笑いしたり、怒りを表に出すまいとしたり、繊細極まりない表情をするのがよい。あと髪型がアシンメトリーで、場面によって右向き・左向きが使い分けられており印象が変わるのも良い。
小さな町に引っ越し、ゼロから自分の居場所を作っていくストーリーと、この表情の豊かさがばっちり噛み合っていた。家族ではないところに自分の居場所を見つけるアレックスの努力は、親とそこまで仲良くない*4自分にとっては希望に溢れるメッセージに映った。
First Snow
積みゲーだったが、ボイス追加のアップデートがやってきたので、ようやく読んだ。すげー良かった……。ボイスを待って正解だったのかもしれない。
ちょっと内気な学生Allisonは友人の美術部設立に巻き込まれ、そこで出会ったEileenのことが気になりだす。果たしてAllisonの恋の行方やいかに。
なにが良かったといえば彼女らの微笑ましくぎこちない関係なのだけど、場面場面のディテールが素晴らしかった。短編ながら、2人を取り巻く人間関係、家族関係にすらちゃんと踏み込んでいる。しっかりした描写の積み重ねがあるから、互いのどこに惹かれて、どんな場面ですれ違いが起きるのか、どうしようもなく共感してしまうんだな。
まだリリースされていないビジュアルノベル『Twofold』の前日譚となるスピンオフ作品で、いわゆる「無料のプロローグ」の位置づけ。しかしストーリーは本作単体でじゅうぶん完結していて、ビジュアルノベルで1ルート読み終えた温かい読後感が残る。ここまで満足度の高いプロローグ作品は、自分の記憶を辿ってもなかなか浮かばない。
Nobody Saves the World
【Game Passに収録】
虚ろな目をした主人公が変身能力を駆使して戦う2Dアクション。
「変身」を軸にしたゲームシステムが非常におもしろい。敵の弱点属性に合わせて姿を切り替える戦術的な部分と、どんどん新しいフォームがアンロックされて、しまいには別のフォームのスキルを借りられる能力まで身につけられる戦略性の、ダブルのおもしろさがある。
能力の強化方法もユニーク。「XXフォームの○○スキルで敵を50体倒す」のようなお題が無数に設定されており、クリア数に応じて上位のフォームやアビリティが使えるようになる。ゲーム全体が実績システムを取り込んだようなものと捉えるとわかりやすい。戦いぶりが可視化されるのが意欲を刺激するし、満遍なくフォームを試す仕掛けにもなる。
それもあるけど、脱力系のノリが最も魅力を感じる部分。変身できるフォームは、普通のゲームでは主人公には選ばれなさそうな妙なものばかり。NPCも、なんだかちゃらんぽらんなヤツが目立つ。チャーミングなこいつらがゲーム全体をコミカルな雰囲気にしているのは間違いない。
Sea of Thieves
【Game Passに収録】
海の海感。
マルチプレイの印象が強いゲームだが、ソロでどこまで遊べるか調べつつ遊んでみた。結果、ソロでも楽しめる部分はちゃんとあるし、見どころも多かった。
プレイヤーは海賊となり、大金を夢見て宝探しに略奪にと大暴れする。……と思うじゃん? ソロは略奪される側なのだな。つまり宝を船に積んだら、他プレイヤーにできるだけ見つからないように航海し、すみやかに拠点に戻り換金する。2人のCo-opもやってみたが、結局他のプレイヤー船に襲撃されたくなければステルスプレイをするのは変わらない。
そんな孤独のパイレーツを癒やしてくれるのは大海原。ゲームプレイの大半を船上で過ごすので、ほぼずっと海を見ていることになる*5。この海がちょっと比類のない美しさで、開いた口が塞がらなかった。ひときわ愛情を込めて作られているのはすぐわかる。晴天下のエメラルドグリーンの海、嵐でどす黒くなった海、夕陽で赤く染まった海と、表情が豊かに変わるさまは、このゲームの主役級キャラに感じられる。とりあえず海を見てからプレイするか決めてみてよ! と言いたい。
開発のレア社といえば、スーパードンキーコングシリーズ等で知られる技術力のイメージと、限界を攻めたユーモアの変態企業の側面がある(個人の意見です)。ゲームからそこまでジョーク成分は感じないが、なんとなくレアっぽい奇妙なことが起こっても許される雰囲気が漂っているのが良い。
能力強化や武器強化の要素が存在しないのも非常に好感を持っている。純粋にプレイヤースキルのみが物を言う環境を、発売から4年も維持し続けているのは、相当強固な運営ビジョンがないとできることではないと思う。
Mass Effect Legendary Edition
【Game Passに収録】
名作『Mass Effect』、当時『3』までプレイ済と思っていたら、実は『1』までしか遊んでなかったことに気づいた俺氏。年末にStarfieldも待ってることだし、スペースオペラのマスターピースは復習しておきたい。
そんな気持ちでリマスターされた3部作をプレイしていて、いま『2』の中盤。すばらしいオープニングで始まる2作目は、なるほど『1』からの飛躍がものすごい。思えばXbox 360・PS3の世代にはゲームメカニクスにさまざまな発展があったわけで、ゲームの歴史を追体験している気分。すべてクリアするにはまだまだ先は長いものの、様々な種族との交流や、一枚岩ではない各勢力が絡むシナリオに夢中になっている。
なおプレイ環境はXbox Series Xと、あともう半分の時間はiPad経由のCloud Gamingでプレイしている。ドラマの続きから見るような気分で、「ちょっと続きやるか」とiPadを開けるのは快適。もう何度も書いているので聞き飽きた方もいらっしゃるかもしれないが、追加料金なしでクラウドゲームにアクセスできるのはGame Passの利点なので、一度試してみてほしいっす。
Epic Battle Fantasy 5
雑魚戦は好きかい? そうでもない?
Epic Battle Fantasy 5の雑魚戦はすごいぞ。雑魚が雑魚じゃない。常に中ボス級と戦うような緊張感がある。
状況は不利でも、ゲームシステムが常にプレイヤーの味方でいてくれる。敵をスキャンすれば弱点がすべて開示される。MPの概念が無く、属性技を打ち放題。バフでデバフを上書きできる。などなど、「しっかりバフ・デバフをかけて、毎ターン弱点属性で攻撃する」前提のバランス調整がされている。これは一見面倒くさく思える。その実、理不尽なやられ方をしないぶんフェアなバトルをしている感覚が強く、30時間のゲームプレイのうち7割がバトルに占められていても何の問題もない。ここ5年、いや10年遊んだゲームのなかでも最高のバトルシステムのひとつだと思える。
あとそう、愛すべきキャラクター! 過去作遊んでなくても問題ナシ。珍道中での掛け合いが大好きで、もっと会話を読みたくて次のバトルを挑んでしまうのだった。
Weird West
【Game Passに収録】
西部劇ってだけでも心躍るのに、そこにオカルトが融合したものだから、奇妙さと血なまぐささ200%マシの舞台の魅力といったら半端ないです。
どうやら5人の主人公の群像劇のようだが、まだ1人目のキャラクターしか登場しておらず、序盤の序盤もいいところ。しかし既に1人目のストーリーから面白い雰囲気が漂っているので、これは十中八九自分好みのゲームになるでしょうね。
ツインスティックシューター、ハクスラ、ステルス、RPG、と色々な要素が詰め込まれているものの、個々の要素がそこまでシビアでないのが助かる。とりあえず今のところ、味方を連れていくとかなり強力だとわかってきた。Falloutのようなガラクタ漁りも楽しい。すぐ持ち物がいっぱいになってしまうが、馬を買ったら追加の荷物袋がついてきて幾分マシになった。
The Artful Escape
【Game Passに収録】
偉大なミュージシャンを叔父にもつ主人公は、ギタリストとしての自身の方向性と、周囲からのプレッシャーに悩む青年。そんなある日、彼は謎のおっさんに導かれ、銀河でジャンプアクションしながらXボタンでギターソロを弾き(特に意味はない)、次元を股にかけた宇宙ツアーに繰り出す。
意味がわからない? 大丈夫、おれにもわからない!
ストーリーを追うついでに音楽バトルのある、どちらかといえばインタラクティブノベルに近い。なにかをキメていないと思いつかなさそうなビジュアルと裏腹に、掲げるテーマは「表現とは、本当の自分らしさとはなにか」で、極めてまっとう。これが感動的で、最後のオチも素晴らしいんですよ。
最終ステージのジャムセッションは、わけがわからなくなるほど盛り上がる。すげえボス戦(と呼んでいいかわからないけど)だったなと、しばらく頭から離れられなくなった。