SANOGRAPHIX Blog

京都を拠点に活動する佐野章核 (sanographix) の個人ブログ。日記、webデザイン、読書、写真など。

なぜForza Horizon 5が私にとって今年最も重要なゲームで、あなたにもそうなるかもしれないと思うか

自分がこれまで遊んだ全てのゲームのうち、最も長時間遊んでいるフランチャイズが「Forza」シリーズ*1。その最新作「Forza Horizon 5」が先日発売した。

アーリーアクセスから時間を忘れて熱中していて、これまでで最も美しく、やりがいのあるオープンワールド・ドライブゲームだと確信した。自分にとって今年最も重要なゲームは断トツでこのForza Horizon 5だと位置づけている。そこまででなくとも、なんかゴージャスでお気楽なオープンワールドゲームを探しているゲーマーにとって、きっと格好の遊び場になると思う。というのも、シリーズで間違いなく最も間口の広いタイトルだとも感じたからだ。

なぜそのように思うかをこの記事では書きたい。本作からシリーズに飛び込む人にとっては、このゲームに何が期待できるのか知る手がかりになればと思う。

円盤買わなくてもいいのでGame Passで遊んでください。理由は後述します。

ちなみに筆者のゲームの嗜好の参考資料として、2020年はこんなゲームたち、2019年はこんなゲームたちに愛着を感じています。

広いだけじゃない

Forza Horizon シリーズ全作を通して最も気に入っているのが、景観の素晴らしさ。

本記事のスクリーンショットはすべてPCバージョンのものです

「こんな場所に行ってみたい」と思わず憧れる環境を作り出すのが抜群にうまい。こんなだだっ広い景色を見たら、道を外れて全速力で突っ切りたくなっちゃうよ。

が、いまどきゲーマーはちょっと広いマップ程度じゃ驚かない。そこで、このシリーズでは十分な広さを確保しつつ、より変化に富んだ環境をつくる方向に舵を切った。例えば前作「4」から四季の概念が導入され、1つの作品内で4パターンの風景や路面状況が味わえるようになった。もし自分が開発チームだったら「正気か」と言うだろう。

季節システムは、前作の舞台イギリスを再現するのにどうしても必要ということで、特別に作られたものとばかり思っていた。ところが、今作でも平然と継承している。それだけでなく、砂嵐や雷雨など、より大掛かりな天候変化がダイナミックに起こるよう進化した。そして、今回の舞台メキシコの象徴的な風景として、砂漠、農耕地、カラフルな街並み、渓谷、ジャングル、砂浜広がる海岸、古代遺跡、火山(!)などが前作比50%広いマップに幕の内弁当のように凝縮されている。プレイヤーカスタマイズにも新たに義手・義足が追加されるなど、大小さまざまな要素が前作よりバリエーション豊かになった。多様性多様性と言うだけなら簡単だけど、このゲームにおいては並々ならぬ情熱が注がれた多様な世界を本当に実感できる。

また、メキシコを舞台としたこと自体、ゲーム全体がどことなく陽気でポジティブな空気に溢れていて、閉塞感漂う今のご時世の逃避先としてものすごく良い。

そのすべてが、これまでのシリーズ以上に驚きの高密度で描写される。サボテンひとつひとつの起毛感を見てくださいよ。Red Dead Redemption 2に勝るとも劣らないグッドサボテン賞じゃないっすか、違いますか。

ゲーム中は時速300キロで飛ばしているのでこんなにじっくり見ることはない。トゲ担当アーティストの人ありがとう

光の表現の美しさも、前作と比べてまるきり別物に見える。前作もじゅうぶん綺麗だったけど、見間違いでなければこんな光が繊細に差し込んでいた記憶はなかった。

やること満載

やることしかない。あ〜幸せ

広いマップを埋め尽くさん勢いで、プレイヤーのやる気を刺激する数々のチャレンジが所狭しと並んでいる。どれをやってもやらなくても良く、また何をやっても見合ったスコアを入手できるので、面白いほど次から次へと新しい要素がアンロックされていく。動画内でも既にアイコンだらけだが、まだ全ての要素が出揃う途中の進行度である。これに加えて毎シーズンのイベント、オンライン対戦、さらに今作で初登場したコースエディタによるユーザー作成のおもしろコース攻略まで含めると、やれることは文字通り尽きない。

車ゲーのジャンルの宿命として、いかに現実に近づけるかを重視するため革新的なメカニクスを入れる余地があまりない。それでも前作では、ちょっとした連続ショートストーリー付きのミッションがあったり、シングルモードのなかにオンライン要素がシームレスに繋がり、行きずりのプレイヤーと協力して課題をクリアしたり、車でバトルロイヤルするモードがあったりと、様々な遊びの提案のアップデートを貪欲に繰り返してきた。それらの多くが、今作では最初から入っているのが嬉しい。

加えてお気楽なのが、「この車でないと勝てない」のような車種制限がほとんどないので、車を手に入れるためにゲームの進行がストップすることがない点。逆に言うと、好きな車に好きなだけ乗っていられる。実際僕も普段よく使う車は5種類程度。資金不足で困ることも滅多になく、新しい車はざっと100台程度はいとも簡単に手に入る。車ってこんな簡単に貰えていいんだっけ?

はじめての方へ

なぜ間口が広いと思うかについては、このシリーズはモータースポーツではなく、そこから派生したドライビングゲームであることと、ゲーム機やPCを持っていないユーザーでも遊べることが理由だと考える。

Forza Horizon 5の挙動は、リアルさを追求したシミュレータ系よりも、ゲーム的な遊びやすさを重視したアーケード系に属する。ゲームのコンセプトが「車を使って派手なことを楽しくやろうよ」だから、このほうが誰でも爽快に運転できる。個人的にはForza Horizonシリーズは、同種のゲームの中でもリアルさとアーケード感のバランスが最も良いと思っている。

そして、シリーズでお馴染み「ミスしても回数無制限に巻き戻せる」リワインド機能を遠慮なく活用することで、ミスを恐れず走れるようになる。この機能はレース以外でも便利で、「大ジャンプして数百メートル先のボードを壊す」ようなチャレンジを行う際も、ジャンプ台で狙った角度になるまで何度も巻き戻して挑戦できる。

安い

冒頭で「円盤を買う必要ない」と書いたように、定額サービス「Xbox Game Pass」に収録されているので、PCおよびXbox版をタダ同然の金額で遊べる。誇張していると感じるだろうが、年間で5,000円以上ゲームソフトを買う一般的なゲーマーなら、Game Passのほうが確実に得になり、様々なタイトルと出会える。タダ同然と感じる理由もわかっていただけるものと思う。どうやって契約するかは以下の記事を読んでください。PCでもXboxでもサービスほぼ一緒です。

text.sanographix.net

今これを見ているブラウザで遊べる

普通のスマホやPCブラウザ上で遊べる

ゲーミングPCやXboxを持っていなくても遊べる。Game Pass加入者ならCloud Gamingが使えるので*2、今これを見ているスマホやPCのブラウザ上でこのURLから起動して遊ぶことができる。実際この記事を書く前に2時間強Cloud Gamingでプレイしていたが、フツーに遊べた*3。これまで高価なPCやゲーム機でないと遊べなかった重量級ゲームが、ごく普通のブラウザで動いているのは中々に衝撃的な光景だ。もちろん専用のPCやゲーム機のほうが映像品質は当然高いのだが、Cloud Gamingでも「フツーに遊べる」ということが何より重要。まだCloud Gamingはベータ版なものの、初期よりもだいぶ安定性が上がっている気がするし、遊ぶ人が増えれば更に品質強化されていくことだろう。

なお、自分が主にプレイしているWindows PCおよびXbox Series Xバージョンは、どちらも極めて安定していて、ゲームのクラッシュも極端なフレームのドロップもこれまで一度も経験していない。現行世代で最高水準のグラフィックのわりに非常に動作が軽く感じる(初代Xbox Oneでもスムーズに動くらしい)のも嬉しいポイント。一方、オンライン要素は不安定に感じることがあるが、ローンチ間もないし、同接ユーザーが前作の3倍とのことらしいから、そのへんの事情じゃないですかね。


YouTubeでForza Horizon 5関連の動画を調べていたとき、「メキシコ人としてこのゲームを誇りに思います」とコメントがついているのを見かけた。本作がどれほどのことを成し遂げたか表す言葉として、強く印象に残った。メキシコ人でなくても、あるいは車に詳しくなくても、精巧に再現された舞台を少々無謀な走りで駆け回るのは充分に魅力的な体験だった。

正直こんな記事の最後まで読んでいるなら、今すぐメキシコへ ¡Go! をお勧めする。

*1:プレイ歴としては「Forza Motorsport」は「3」以降すべて、「Forza Horizon」は「1〜4」までプレイ

*2:Game Pass Ultimate(一番高いプラン)加入が必要。この記事で紹介しているLive Gold変換テクが有効な限り、安いほうのプランを選ぶ意味は全くないので、加入するならUltimate一択だとおもいます

*3:MacBookのGoogle ChromeでXboxのゲームをPlayStationのコントローラで遊ぶ、みたいな「ゲーミングちゃんぽん」状態も可能