SANOGRAPHIX Blog

京都を拠点に活動する佐野章核 (sanographix) の個人ブログ。日記、webデザイン、読書、写真など。

良かったゲーム2021

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毎年恒例、今年遊んだゲームのなかから良かったものを振り返る(感想なので順位はつけない)。…と言いたいところだけど2022年になってしまったので、以後、文中の「今年」は「2021年」のことと読み替えてください。

  • 今年「遊んだ」ゲームなので、去年以前に発売したゲームも含まれる。
  • Xbox Game PassまたはPC Game Passで配信されているタイトルには【Game Passに収録】を記載した。
  • 各タイトルは特に断りのない限りPC版をプレイしている。

Chicken Police

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落ちぶれた名刑事コンビ(だが鶏だ)が奇妙な事件に巻き込まれる、ハードボイルド・アドベンチャー。

毛の一本までスキャンされた鮮烈なアートワークと、無駄スレスレに思える世界観の作り込みで、本記事のなかでぶっちぎりで珍味的な味わいがある。しかし、動物にまつわる小粋なジョークに満ちた会話と、事件の真相を追いかけるスリルに夢中になった。完璧なローカライズ、いつまでも聴いてしまうサウンドトラックもすばらしかった。渋くキメたいならこれで決まりだ。

Bloodroots

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【Game Passに収録】

復讐の鬼と化した男のハイスピード殺戮アクションパズル。

ステージに落ちている道具やギミックをフル活用し、小賢しく配置された敵と一撃必殺のバトルを繰り広げる。この倒すテンポを掴むこととルートを切り拓くのが非常に重要で、うまく決まればスタイリッシュな動きで縦横無尽に敵をなぎ倒せる。死んで立ち回りを覚える反復が Hotline Miami に近いものがある。ローカライズの出来があまり良くなく気が散るのだが、ゲームプレイは本当に面白い。

Elder Scrolls Online

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恒例の年末イベントの受付はプレイヤーでいつも賑わっている

オンラインRPGというより「普通にシングルプレイのElder Scrollシリーズの延長線上」のゲームとしてずっとプレイしている。

「ソロでクエスト終わる気配がぜんぜんないな」との印象が、遊び始めた2年前からまったく変わってない。膨大なシナリオが随時追加されるたび、ますますこの世界に身を投じる喜びが増していくのだった。

今年はコンパニオンシステムが実装された。自分のようなソロプレイユーザーには戦力の足しになったり、単純に旅の仲間が増えて楽しい。

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Idol Manager

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給料に不満を感じている

アイドル事務所経営ゲーム。最初は小粒の仕事を地道にこなしていき、やがてワールドツアーや総選挙などのでかい仕事ができるようになる。各アイドルは自動生成とわかっていながら、どうやっても愛着が湧いてしまうほど自然につくられている。しかしこのゲームはキャラクターの良さにとどまらない。徐々に動かす金がインフレしていく喜びは人材育成というよりもはやクッキークリッカーじみており、至って冷徹な視点も併せ持っているのが素晴らしいところ。なお自分はKickstarterで2018年にバックしていたので、完成版を遊んでたくさんのイベントが追加されていることに感慨深いものがあった。

理想のエンディングに辿り着いたものの、なにかの拍子にデータが無くなってしまった。ある意味で長い夢を見ていたかのようにおれの事務所経営は幕を閉じた。良い夢だった。

Lonely Mountains Downhill

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【Game Passに収録】

ローポリの美しい山から、いかに転倒を抑えて短時間で自転車で下れるか競う。正確なコントロールが要求されて神経を使うが、ミスっても即リスタートできるのでストレスがとても少ない。ショートカットも盛りだくさんで、何度も挑戦すると、ルートの開拓と操縦テクニックの掛け合わせでおもしろいほどタイムが削れていく。

このゲームの心地よさの7割くらいは環境音にある。BGMは一切なく、川のせせらぎと鳥のさえずりが、己vs大自然の闘いを静かに盛り上げる。ダウンヒルの風切り音と砂利を蹴る音も爽快で、ついつい「あともう1回」と再挑戦してしまうのだ。

Forza Horizon 5

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【Game Passに収録】

車好きはもちろん、車ゲーに馴染みのない人へも最初の一本に自信をもって勧められる。なにしろ車で「俺TUEEEEEE」できるゲームなのだ。強力なアシストと難易度設定で、カーブを曲がるのもおぼつかない若葉マークの人から徹底的にチューニングしたいマニアまで、ひとつの作品で一緒に楽しめる懐の広さがある。

グラフィックは更に磨きがかかって超がつくほどゴージャスだし、毎週更新されるチャレンジイベントもちょうどよいボリュームで、こうしたチャレンジで色々な車を乗り回すのが週末の楽しみのひとつだ。

先日発表されたThe Game Awardsで3冠受賞し、Forzaフランチャイズを10年以上毎作買ってる自分にとっては本当に嬉しい出来事だった。

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前作でも思ったけど「[季節]をロードしています…」ってデジタルポエム大好き

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Gears 5: Hivebusters

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【Game Passに収録】

Gears(の1〜3)は生涯のベストゲームに確実にランクインするので、このフランチャイズのストーリーDLCは大歓迎。Gearsならではのテンポのよい銃撃戦と、仲間との軽妙な掛け合いが楽しめる。

小粒なのかなと思いきや、想像以上にボリュームがあり嬉しい誤算だった。ジャングルや古代遺跡といった環境はあまりGearsで見たことがなく新鮮で、移動中にも美しさに目を奪われる。このままDLCで終わるのは正直勿体ない!

Unpacking

【Game Passに収録】

今年発売したなかでは一番好きかもしれない。

引っ越しを通じて、顔も知らない主人公の人生の変化を追体験する。子供部屋からはじまり、成長とともに変わる荷物・変わらない荷物で部屋を彩っていくのが、ハウジングに似た楽しさもある。

ライフステージの変化がそのままゲームのステージになっているのがミソで、荷物ひとつで「引っ越す間に彼女に何が起こったか」を強烈に想像させる。「荷解き」だけでここまで豊かなストーリーが語れるのかと心奪われた。挑戦的なストーリーテリングでありながら、全体的にとてもチャーミングなゲームで、最後はじんわり温かい気持ちになれる。オーストラリアが拠点のスタジオにはこの種のチャーミングさが漂うタイトルが多い気がする。

F1 2021

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日本GP向けの「ありがとう」スペシャルカラーが現実と同様に再現されたのには感動した

【そのうちGame Passに収録されそう】

2021年はF1中継をきちんと見るべく頑張った年で、その理解を深めるためにプレイした。週末、放送がはじまる前にひとっ走りしてコースの予習をしておくと、中継の理解度がぜんぜん違う、気がする。

先述のForzaフランチャイズは伝統的にアシストが充実している反面「どうすればまっとうに速く走れるか」をゲーム内で教えてくれない。今年はF1 2021を通じて同じコースでタイムを縮める反復練習ができたので、少しはレーシングゲーム全般に活かせるものを得られたと思いたい。

Microsoft Flight Simulator

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【Game Passに収録】

ことし最も壮大な体験。

地球上すべての建物、すべての道路、すべての樹木を1/1スケールで再現する、ゲーム史上類を見ない野心的なプロジェクト。文字通り地球のどこにでも行ける体験は信じられないほど壮大で、最初にプレイしたときの「(地球のなんたるか知らんけど)地球だこれ」と思ったことは忘れられない。フライトシムは今まで遊んでおらず、ニワカもいいところだが、このプロジェクトを見届ける一員になれたことが嬉しくて、よく開発者Q&Aの配信を追ったりしていた。これから10年かけてアップデートしていくそうなので、のんびり付き合っていくつもりだ。

ことしXboxコンソール版が配信されたが、PC版と同一のビルド(その証拠に、コンソール版なのにマウスカーソルがチラ見えする)が動き、Xbox Series X|Sのパワーを証明した格好となった。

先日、より正確な操縦ができるフライトスティックが届いた。まだ操作がおぼつかないのでランディングチャレンジをやり直している。マスターすればきっと空の旅を一層楽しめるはずで、モチベーションになっている。

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Fallout 76

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【Game Passに収録】

オンラインRPGというより「普通にシングルプレイのFalloutシリーズの延長線上」のゲームとしてプレイしている。

強くなる要素(レベリングや武器の厳選)には正直興味がなく、アップデートで実装された様々な派閥のクエストをこなしながら、荒廃した世界を探索するのを楽しみとしている。ベセスダは探索し甲斐のある世界をつくるのがやはり上手い。

レベルの低い序盤は金も弾薬もろくに手に入らずスカベンジャーらしいプレイを強いられていた。が、現在は徐々に暮らしの余裕が出てきた。探索ももう少しアグレッシブにやっていけそうだと期待している。

Perfect Gold

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Kickstarterでバックしていたタイトル。サクッと遊べる長さで、物語もシンプルで爽やかな読後感なので、あまり気負わず読める作品だと思う。一捻りしながらも希望に溢れた結末に着地するのがとても良かった。

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Cyberpunk 2077

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去年の記事にも載せたけど年をまたいで遊んでいたのでまた書く。

年初にCyberpunk 2077を遊んでしまった以上、もう今年はこれを超える野心とロアに溢れたゲームは遊べないだろうと諦めていて、実際そのとおりになった。

その野心の大きさゆえに問題を抱えてしまったのは周知の通りだが、この記事は個人的な体験を書く場所なので個人的なことを書く。常識はずれのナイトシティのゴチャゴチャ感はこれまでに見たことのないほど魅力的で、むしろこのサイバーパンク世界を創造するには、常軌を逸した向こう見ずマインドが少なからず必要じゃないかと思わなくもない。

そして「ウィッチャー3」でも示したように、物語主導型のゲームとして鋭くプレイヤーに価値観を問いかけ、悲喜こもごもの結末を見届ける場面が沢山訪れる。大好きなサイバーパンクの世界観で語られる無数のストーリーに胸を打たれた。発売まで8年待ったゲームは夢のような体験をもたらしてくれた。

Halo Infinite

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【Game Passに収録】

久しくシリーズをプレイしていなかったものの、初代Haloを強烈に思い起こさせる舞台&シンプルな戦闘に「これこれ!」と嬉しくなった。目玉として半オープンワールドの採用があるが、チュートリアルマップからオープンワールドに移行するときの演出が非常に巧みで、新しいHaloの始まりを実感した。

あと嬉しい誤算だったのが日本語吹き替え。Game Passの全世界同時配信の戦略上、こんな極東の吹き替えにリソースを割くのは今後難しいだろうと思っていたので、かなり驚いた。

補足: このほかのタイトル

このほか、気持ちの整理があまりついていなかったり、単にクリアしていないタイトルも色々とある。そのごく一部を以下に残しておく。

  • Epic Battle Fantasy 5」。某RPGの箸休めに始めたのだが、あまりにも面白くてこっちが主になってしまった。雑魚相手でも白熱する全力バトルと、ひたすらパーティーの仲間が喋りまくる珍道中がおもしろい。
  • art of rally (Game Pass収録)」。ローポリの風景でチマチマとドライブするのは、リアル路線のレーシングゲームと違った趣がある。
  • The Ascent (Game Pass収録)」。見下ろし視点のゴチャゴチャ感たまらん。なんか難しいと感じて止めてしまったのだが、またこのサイバーパンク世界を歩き回りたい気持ちはある。
  • Inscryption」。「あの『Pony Island』の開発者のことだから絶対なにかあるだろ」と思いながらプレイしているが、未だ「なにかある」ところまで辿り着けていない。悲しい。
  • Lake (Game Pass収録)」。キャリアを重ねた女性の一時帰省ストーリー。ゲームでは珍しいタイプの主人公像なので、穏やかな物語がこれからどう展開していくか楽しみ。
  • DJMAX RESPECT V」。セールついでにDLCの楽曲パックもおおむね揃えた。かつてPS4版を遊んだことがあるが、ゲームパッドよりキーボードのほうが叩いていて断然楽しい、と当たり前の結論に至った。

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「The Ascent」

所感

記事に挙げたとおり、Game Passの存在が非常に大きな1年だった。Game Passに加入しているだけで、毎月のように、ヘタしたら毎週のように、多くの新作タイトルと出会うことができた。クラウドゲームにも対応し、非力なPCやスマホだけでXboxのゲームが遊べる(関連記事)ようになったのも今年。5世代ぶんのXboxと歩んできた過去を振り返っても、いまほどXboxがゲームを完全に正しい方向に進めていると思える瞬間はない。

Game Passについて詳しくは以下の記事に書いた。

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Game Passのビジネス上の構造がどうなっているか素人には全然わからないので勘で書くが、全額出資してそうなファーストパーティ製のゲームにも、マイクロトランザクションが組み込まれている理由がよくわからない。横文字でカッコつけているけど、要するに僕はアイテム課金が好きではないのだ。マイクロソフトマネーで「面白ければ資金に困ることなく追加コンテンツを開発できる」ようになると、ゲームとの関わり方になにか変化があるような、ないような気がする。自信なくなってきた。

ともかく全体的には、この1年の体験から、Game Passはゲームと出会うための正しい道であると強く信じている。信じさせてくれ。


2020年以前の年末ゲーム振り返り記事は以下を参照。